4月13日に開幕した「EXPO2025 大阪・関西万博」も残すところあと10日でフィナーレを迎えようとしています。
始まるまでは、コロナ禍、建設資材の高騰で、開催すら危ぶまれ、ミャクミャクも不人気。それが、今となっては大盛況、大人気。
大阪府民として、年パスを購入、開幕初日から実際に会場を巡回。生で感じた万博の良さを、人と会うたび拡散してきたわが身にとりましても内心ホッとしています。

そのなかで、感じたこと、思うことがあります。
その一つは、万博開会式での吉村大阪府知事のスピーチ。
天皇陛下、日本国首相、海外の賓客の方々が多数列席される中で、開口一番。
「夏の暑い日も、冬の寒い日も、現場で頑張ってくださった工事関係者の皆さんありがとう」と述べられ、会場からも拍手がわき起こっていたことです。
後日談で、吉村知事は、「実際に万博会場の工事現場を訪ずれ、その当時”万博は本当にできるのか?開催する意義があるのか?”などと世間から批判の声がある中で、夏の炎天下の中、ヘルメットから汗を流しながら、万博の開幕に間に合わせようと懸命に取り組まれる現場の皆様の姿を見て、率直に感謝の気持ちを自分の言葉で述べてみたかった」と語っておられます。

もう一つは、万博パビリオンの工事費未払の問題が最近になってクローズアップされていること。
誠に僭越ではございますが、これまでの職歴でいろいろな仕事を経験させていただいた中の一つに、新工場の建設プロジェクトがあります。
工事というものは、当初の設計仕様通りに完成することは稀。工場ですから、建設が進むにつれ、製造責任者から「ここは、こうしたほうがよい」「ここは、こうしてほしい」という要望があがります。
そうすると、工事予算というものがありますので、追加工事の発生に伴って「現段階の発注金額で工事費が収まるのかどうか」ということを双方確認しながら、工事を進めていくこととなります。

万博パビリオンの工事が同じであったかどうかはわかりませんが、工期がひっ迫する中で、万博の開幕優先で工事を進めよう、進めようと真摯に取り組まれる業者様であればあるほど、いろいろなことが起こりうるということは容易に想像できます。

当初懸念されていた万博の入場者数も、想定の数字に近づき、黒字化が見込まれています。
このように盛況のうちにフィナーレを迎えようとしているのも、先に述べた通り、開幕に間に合わせようと懸命に頑張られた施工業者様のご尽力があってこそだと思っています。
そのようなことに思いをはせると、何とか困っておられる建設業者の皆様を救う手立てはないものかと考える今日この頃です。    (前田)