建設業許可申請をする場合の3つのポイント(分岐点)

建設業と聞くと「建設会社」をイメージする人も多いと思います。
建設会社と言えば、建物を建てる会社を思い浮かべることでしょう。

確かに建設会社は建設業なのですが、これだけではありまん。
建設業は他にも、左官工事や内装工事、宅地造成などの土木工事も
建設業ということになります。

つまり、建物を建てる会社だけが建設業ではありません。

では、建設業は許可がなければ始められないのでしょうか?

確かに多くの仕事は、許可(免許)や資格がなければ始められません。
ただし、建設業に関しては資格がなくても始められます。
※電気工事業などの資格が必要なものもありますが。

では、何のために建設業許可が必要なのでしょうか?

多くの建設業が無資格で始められるのであれば、
建設業許可という資格は何のためにあるのかという疑問が生じると思います。

建設業許可は、ある程度大きな工事をする為に必要な資格なのです。
具体的には、500万円以上の工事を受注するためには、建設業許可が必要です。

 

 

①そもそも建設業の許可が必要かどうか?

建設工事は、建設業許可がなくても営むことができます。

“規模の小さな(金額・面積など)工事~軽微な建設工事~”と限られた範囲のみ、
工事を請け負うことができます。

 

規模の小さな工事(軽微な建設工事)の範囲

建設工事 請負工事代金の額が1,500万円に満たない工事

又は延べ面積が150㎡に満たない木造住宅工事

建設工事以外 請負代金の額が500万円に満たない工事

上記に該当する工事のみを請け負う場合は、建設業の許可は必要ありません。
しかし、このような軽微な工事より大きい規模の工事を請負う場合、必ず許可は取得する必要があります。

許可を取得せずに請け負った場合、建設業法違反となりますし、
大きな規模の工事が増加してきた場合などは、事前に建設業の許可を取得しておかなければなりません。

②大臣許可と知事許可の違いは?

許可申請する場合、国土交通大臣許可と地道府県知事許可があります。
この違いは、本店以外の営業所や支店など営業拠点をどこに置いているかによって決まります。

知事許可 営業所は1つのみ。

営業所が2つ以上あるが、同一都道府県内にある

大臣許可 営業所が、2つ以上の都道府県にある

但し、単に事務所のみがあるだけでは該当せず、常時建設工事の請負契約を締結したり、
常に技術者が常駐しているなどの要件を満たしている場合のみ、複数の営業所があると認められます。
つまり、大臣許可は、営業所が他の都道府県にまたがる場合に必要となります。

③特定許可と一般許可とは?

特定と一般の違いは、1件の建設工事の一部を下請に発注する場合、下請に発注できる金額の範囲が異なります。

特 定 建 設 業 下請代金の総額が4,000万円以上
 (建築工事は、6,000万円以上)
一 般 建 設 業 下請代金の合計額が4,000万円未満
 (建築工事は、6,000万円未満)

下請に発注をする金額にかかる規定ですので、発注者からの受注金額が4,000万円以上でも
下請へ発注する工事1件の金額が4,000万円未満であれば、一般建設業の許可で差し支えありません。

特定建設業許可を取得すると、下請けに出す金額に制限が無くなる点がメリットとなります。
ただし、特定建設業は、下請負人を保護するために設けられているので、
下請け業者に対する支払条件等に関し、一般建設業許可に比べて多くの規制があり、
実務上の負担も増えてきます。
さらに一般建設業よりも財産要件・技術者要件も厳しくなっています。